寮生の声


入寮パンフレットに掲載された寮生の声を一部紹介します。

熊野寮に住む女性

入寮五年目(医学部人間健康科学科)

 

 みなさんこんにちは。初代熊野寮子を名乗る者でございます。寮内外からは愛を込めて通称りょうこさんと呼ばれています。せーのっ「りょうこさーん!」はい。よくできました。笑

今年で5年目になる私から、少し昔のお話をさせていただきます。私が入寮した頃、2010年になりますが、その頃は女性もまだまだ少なく、誰が住んでいるのかも全て把握できるような状態でした。女子寮生の会なるものもかなり大きな存在としてありました。それはそれは年功序列で大奥のような。笑 あの頃に比べたら、荒廃した建物にあるかのようなトイレも全自動になり、シャワー室も設備(これは私の入寮前ですが)、各エリアの女子率もかなり上がりましたね。本当に住みやすいんです。寮内のあらゆる課題にメスを入れ続けてくださったお姉様方に感謝の言葉しか見つかりません。ありがとうございます。

 みなさんはKMN48という熊野寮自治やっちゃう系アイドルをご存知でしょうか?京大内では人気ナンバーワンを誇るアイドルでして(自称)、詳しくはYOUTUBEをご覧くださいませ。こういった活動もあり、新入寮生や女の子同士の仲は結構いいと自負しております。っていうかね、はじめさ、この子性格合わなーいとか思っても、嫌でも毎日顔合わせるし、1年も一緒に過ごしたら家族同然になってくもんなんだよね。な・の・で、ぜひ、女子寮生のみなさん!!熊野寮に入り、自ら竜巻の目となって、いろんな企画をしてみませんか?

 そんな私の生活は、朝、2段ベットの上の子に起こしてもらい食堂で朝食。午前の研究が終われば寮に戻り、かわいい後輩達に囲まれながらランチ。食後休みは談話室で同回生がゲームをやっているのを見ながら過ごし、午後はバイト。夕方戻ったら同期と食堂で夕飯。ダンスの後シャワーを浴びて寮の会議。部屋で日記をつけて明日の準備。寝る前にもう一度談話室でまったりぬくぬくしたお布団で就寝です。

 

どうですか?いやあね、本当におすすめ??

 

熊野女子となった暁には、こんな特典が付いてきます!!

・家族のような友人ができる

・大好きな先輩・後輩ができる

・節約しておしゃれができる

・美味しい寮食でバランスばっちり

・限られた空間での収納術が身につく

・虫なんかこわくない

 

たくましく美しく成長できること間違いなしです。もう特典だらけでしょ?

いろいろ書きましたが、私ども一同、皆さんの入寮をお待ちしております。

 

 

 

留学生の声

入寮四年目(教育学研究科博士)

 

 中国からの留学生で、熊野寮に住んでいます。寮が大好きで、卒業まで住んでいきたい。熊野寮に住むのが無理かなという人によく言われるのは四人部屋で、プライベートがないという理由が多い。自分は中国の大学で四人部屋の「集体宿舎」に生活した経験があり、寮に入る前にも一人暮らししたこともあります。一人暮らしがあまりにも寂しくて、寮の生活がもっと楽しく、同部屋の人と友達になれるだろうと思い、寮に尋ねてきました。もちろん、民間デパートと比べて、圧倒的に安い賃金も勉強とアルバイトを両方ともしないといけない自分にとって、もう一つ大きな理由でした。

 熊野寮から北に行くと、皆さんは遠くとも自転車で15分間以内に教室あるいは研究室に着くだろう。西側に京都名川鴨川があり、東側に平安神宮、京都美術館・図書館など人類文化財産が並べています。南にいくと、観光地祇園、商業中心地も遠くない。つまり、留学生たる私にとって、日本に勉強するとともに、日本文化も理解するため、熊野寮は絶好な立地にあります。

 地理的な便利があるのだけではなく、熊野寮自体も自由な空間であり、魅力のあるところです。周知のように、熊野寮は自治寮で、学生が寮の仕事をやりながら、協力して寮の全般を運営しています。寮をますます改善するために、寮内会議が不可欠で、会議ではだれでも自由に発言ができます。皆の賛同を貰えば、実現することができます。このような自治制度は留学生たる私にとって自国では見たことない風景で、日本全国の学生皆の誇りだと思います。

 しかしながら、日本語能力の問題があるので、留学生にとって、寮内会議を参加し、徹底的な議論を行うのはすこし難しいところがあるかもしれません。それを改善するために、近年、寮の国際交流局が日本人学生と留学生のお互い理解を深めるために、多彩なイベントを開催しているのだけではなく、日本語の面でも留学生を支える議案が出されています。このような開放的な姿勢があるからこそ、今の熊野寮は中国、韓国、スイス、ブラジル、フランスなどの国からの人が集まってきて、皆はともに勉強して寮生活を送っています。

 

 

 

 

「くまのまつり」の紹介

 

熊野寮では、2011年から毎年5月中旬に「くまのまつり」というお祭を開催しています。このお祭は、地域住民の皆さんをはじめとする寮外との連帯を目指すものです。ここではそのお祭の紹介をしたいと思います。 2014年度は熊野寮でいろいろありました。寮生が逮捕されたり、公安警察が熊野寮を捜索する様子が大々的に全国に報じられたり。そうでなくても夜中に喧しかったり、常識はずれなことをしたり、何かと世間をお騒がせする熊野寮です。わけのわからない過激派集団と、寮外の方々には映るかもしれません。 しかし、私たちは寮自治会として行なう全ての事柄を、熊野寮を守り発展させていく上で必要かつ有益であると考えて実施しています。そして、熊野寮は全ての学生の教育を受ける権利を保障するためにあるのですから、社会的にも私たちの取り組みは必要なんだとの自負を持ってやっているのです。 ともすれば誤解されてしまう、しかし本当は非常に重要な寮自治会の内実を、しっかりと社会に発信し、地域の方々と顔の見える関係をつくる中で広げていこうというのが「くまのまつり」の取り組みです。 さて、前置きが長くなりました

が、お祭の様子をご紹介しましょう。会場は寮玄関前の駐輪場と玄関ロビー・食堂です。駐輪場にはテントを設置し、出店がところせましと立ち並びます。昨年度は26店舗が出店してくれました。出店するのは寮生だけでなく、熊野寮周辺で飲食店や雑貨店を営む方々や、住民の方々です。近隣の方々の出店では、メキシコ料理やベトナム料理、ペルシャ料理など国際色あふれる食べ物、沖縄料理や居酒屋、天然酵母パンなど多彩な食べ物が楽しめます。また、古着やポストカード、革製品、アクセサリーなど雑貨も様々です。それ以外でも、タロット占いやマッサージのお店を開く方もいました。寮生は、コスプレカフェ、お化け屋敷、人生相談、デュエルブース、丸坊主専門床屋など個性あふれる出し物を展開しました。また、駐輪場の一角には特設ステージが設置され、様々なステージ企画を楽しめます。ステージ企画には寮生をはじめ寮外からも音楽室利用者や、手品サークル、落語サークルなどの学生も出演してくれました。バンド演奏、ダンス、弾き語り、手品、落語などで例年盛り上がります。お祭には、近隣の住民の方々をはじめ、お隣のスイミングスクールに通う子

 

供たちやその親御さん、出店店舗の常連さん、学生たちなど多くの方が来場してくれます。今でこそ、盛大なお祭になった「くまのまつり」ですが、はじめからそうだったわけではありません。寮生や寮外の協力者がお店や知人に呼びかける中で、毎年少しずつ輪が広がっていき、このような盛大なお祭へと成長していきました。やりたいと思ったことを何でも実行に移せるのが自由な熊野寮のいいところです。「くまのまつり」は自治会のもつ無限の可能性の一つを示す取り組みだと思います。さて、入寮を検討される皆さんには、入寮してもしなくてもぜひ「くまのまつり」に遊びに来てほしいと思います。もっと言えば一緒にお祭をつくりましょう! できれば入寮して一緒にやりましょう! 皆でアイデアを出し合いながらお祭を創りあげていく過程、ご近所の人と出会い語る中で新たな関係を創りあげていく過程では、かけがえのない団結が生まれます。それが熊野寮をよりよい自治寮に変えていく何よりのエネルギーなのです。

 

 

 

セクシャルマイノリティーについて

入寮一年目(文学研究科修士)

 

 セクシュアルマイノリティーと呼ばれる人たちが人間社会には存在します。多くの人々が遺伝上の性別と脳の性別、つまり精神的な性別が一致し、かつそれが女性ならば男性を、男性ならば女性を恋愛対象とするのに対し、彼ら、彼女らそれに当てはまらない個性を持ち合わせて生きています

 ここでは主にGender Identity Disorder(性的違和症候群)の人について話題にします。この個性を持つ人は先天的に遺伝上の性別と脳のそれが不一致な特徴を持ち合わせていると考えられています。当事者の人は多くの場合、子どもの時から周りから規定された性別にさまざまな形で違和感を覚えます。特に学校教育では、男女わけが制服から始まり、いろいろな場面でなされます。それ故、自分は心で自覚している性別で生きたいという気持ちを意識的にせよ、無意識的にせよ持つ中で、生きづらさを感じ、不登校になったり、あるいは成長の過程で自分の身体に嫌悪感や違和感を覚えたりします。理解のない周囲からの侮辱的な言葉や、学校での男女分け、カミングアウトしづらさ、服装と戸籍上の性別の不一致のための就職の困難、公的書類での性別欄の存在、性別再判定手術などの治療の高額さと健康へのリスクなどの生きづらさがあります。加えて戸籍を変えない限り結婚もできません。

 熊野寮はこうした属性を持つ人が仮に入寮してくればどのように対処すべきでしょうか?自治寮として京都市の家賃の相場からしてありえない月4100円の維持費、一日三食栄養価の高い食事を食べても1000円もかからない食堂、女子寮生の入寮を実現させた熊野寮の歴史と実践、多様な人々が平等に自治に参加できる寮のあり方を踏まえるとセクシュアルマイノリティーが住み、かつ他の寮生と共に楽しく暮らし、自治に参加するのが望ましいと言えます。寮内でもセクシュアルマイノリティーとそうでない寮生が共に理解しあえる関係をどう作れるかの議論は既に始まっています。そもそもが現代では、誰もが学校で受験競争を強いられ、社会では労働者として競い合わされています。その中で個人の個性が抑圧されているのは程度の差はあれ、誰でも同じと言えるでしょう。そのことを踏まえれば、もしそのような人にこの寮で会ったとしても仲間として共感し、団結できるのではないでしょうか?

 

C1001 熊野寮を語る


D:文学研究科修士2回生(地理学)

M:工学研究科修士2回生(高分子化学)

K:教育学研究科修士1回生(社会学)

T:経済学研究科研究員(行動経済学)

 

D:座談会初めまーす。はい拍手ー

一同:わー(パチパチ)

 

熊野寮との出会い

 

M:君らの入寮のきっかけは?

K:パンフレットがヤバかったからだな。

T:そこに熊野寮があったから。

D:そういうの良いから。

M:ああ、おれもパンフレット見た。あれすごかったな。入試一日目の終りに読んで大爆笑してから二日目受けたわ。

D:おれは逆で、最初は熊野寮に入る気なかったんだよ。中高時代も寮生活もだったから、もう思春期の男子が真横にいる生活が嫌で。でも親に、バイトで稼いでから一人暮らししろと言われて…気づいたら6年住んでた。

M:おれネットで調べてさ、熊野寮ってなんか危ない寮なんじゃないのって思ってビビりながら入寮面接に来たわけ。そしたらミリタリーな服装をしたお兄さん(編注:2009年当時、自衛隊上がりの大学生が一人住んでいました。)が面接官で最初のインパクトはすごかったんだけどさ、でも話を聞いていると、いうほど熊野寮大したこと無いんだなと思って、「寮の印象は?」って聞かれたときに「思ったよりフツーですね」って言ったら、「その答えをまっていたッ!」って言われたの。ようするに入寮なんてそんなそういうものだと。

K:俺の親父は学生のころ貧乏で、熊野寮みたいなところに住んでいたらしいんだ。いわゆる「下宿」。だから熊野寮に来た時に懐かしそうにしててさ。寮内見学しながら終始爆笑してたんだ。何が言いたいかっていうと、熊野寮みたいな自由な空間に対して平気な親御さんかどうかは大切。M:T君は?

T:入試後に見学に来たら焼き肉に誘われて、熊野寮って居心地がいいなと。

M:そう!居心地が良すぎるんだよ。俺最近「熊野寮は炬燵」理論を提唱してて。居心地がいいけど、勇気を出して出ないとダメになっちゃう。

 

グローバル時代の熊野寮

 

D:我々は明らかに国境線を失いつつあるんですよ。

書記:書記が追いつかないので待ってください。

D:いや、始める(笑)

M:実際、国を超えて自由に活動できるわけだから、国境はだんだん意味を失ってきているよね。

D:学生寮で「グローバル」の話と言えばさ、留学生が多いから国際交流できますっていう風にうたう寮って多いじゃない。うちも留学生は多いけど、違うよね。グローバルってそういうことじゃないと思う。日本人でありながら日本というネイションに属していない状態にあるということが、この寮における国際性につながっている。

M:日本にいながら経たしたら自分がマイノリティになる可能性すらあるよね。

D:マイノリティっていうか、もはやエクスターナルだな。

K:治外法権みたいなものかもな。

D:日本であって日本じゃない場所があること、そして、その意義が理解されていない。ここでは日本にこういう場所があることの意義について考えたい。

M:じゃあそんな感じで話していこう。

D:日本であって日本でない場所の存在意義を、それが反体制的でも順体制的でな目的意識でもなく、フツーの学生生活を送ってフツーの企業に就職する、一般的な「グローバル人材」になるうえでもとても大事なんだよって言うことを心の底ではこの寮に数年住んでいる人はみんな思っていると思うんだ。

OB:ガサがあったとき、過激派の巣窟だなんだと言われたけど、寮生はそういう時に自分たちは普通ですよっていう主張をする。これは熊野寮の外部性と真逆の事を言っているんだと思う。俺はD君側で、熊野寮の一部の寮生が対外的にしていた主張に対して違和感を感じるだよ。ここにいる人とでは一致がとれていると思うんだけどな。

T:ここで一致がとれても読者はわからないと思うんだけど。(一同大爆笑)

K:読者は絶対理解していない。

D:まとめると、グローバル時代における熊野寮の魅力はここは日本であって日本でないよねっていうところ。それがすごい魅力的だよね。日本であって日本でないと言うことは、例えば留学生が多いとか安っぽい物ではないし、治外法権とか、大学の自治とかそういう言葉で語られる物でもない。僕はこの寮の魅力の正体は「徹底討論」にあると思う。前提として、自然状態において我々は混沌の中に生きているんだ、その混沌の中から一つずつ理由を見つけていくのが徹底討論だと思うんだよ。

 

徹底討論の原則と付き合う中で

 

M:ちょっとその言い方は工学部には難しい。

K:要するに話し合いをするという日本では廃れて久しい文化がこの寮にはまだある。

T:逆じゃないか、日本に今までなかったんじゃないか。

M:一般的に人が会話するときは自分の常識を前提にして会話するんだけど、うちの寮がそうしているみたいにさ、自分の常識が全然通じない相手と会話するときは前提をめちゃくちゃ原始的なところまで落として会話をスタートさせる。それが徹底討論だと思う。

D:そうなんだよ、例えば、熊野寮で議論をするときはには、これはトイレットペーパーです、これは空気です、そういう不要に見える会話の一つ一つにまず意味がある。それを徹底討論ではしていかなければいけない。例えばトイレットペーパーひとつとっても鼻をかむものと思うやつもいるし、尻を拭くものだと考えるやつもいる。

M:例えば、トイレットペーパーならトイレで使うとしか認識しないやつも世の中にいる。其の上で、多くの人は自分と同じ認識を持ったグループの中でしか会話していない。(Dが酒をこぼす。)

D:酒をこぼしたからトイレットペーパーでふこう(笑)

M:でも熊野寮では、なにか一つとってもいろいろな考えのやつがいる。人によっては周囲と衝突するような考え方を持つやつもいる、そういう奴らと話し合っていくっていうのが大事なんじゃないか。もっと言えば、例えば全然違い文化や習慣を持っているような人を会話するときに役立つんじゃないかなと思う。だから、前提となる条件が合わない人と会話する技術、それが大事なんじゃないかと思う。そしてそれがこの熊野寮で身についたと俺は考えている。

K:グローバル化っていうのはダイバーシティのわかりやすい形態でしかないからな。

D:ダイバーシティというのは多様性ということだよ受験生諸君。

K:要するに了解が取れるかどうかという事なんだよ。通常のコミニュケーションはお互いに了解が取れているのかどうかという事を確かめ合いながらコミニュケーションをとっている場合が多い。それがつまり空気を読むという事なんだけど。空気を読まなくてもいいじゃん、徹底討論の場だと。それは違いをさらけ出しながらコミニュケーションをとっているということでもあり、そういうコミニュケーションの形態をとっている場所なんて、まあ、無いよね。

M:無いね。

K:普通の空間だと。

M:下手したらこの寮と吉田寮くらいしかやってないんじゃ無いのかな。

K:吉田寮はどうなんだろ?

OB:吉田寮はやっているかもしれない、ホッチキス一個買うのに8時間くらい議論していたからな。少なくても15年くらい前は。

D:まーでもホチキス一個買うのに8時間議論してもいいと思いますよ。

T:この寮も防犯用のサスマタ一個買うのに何時間議論したか。

M:ごめん、どうしても言いたいことだけど、寮の事務室のマニュアルにホチキスじゃなくてステープラーって書いてあるよね。何でかと言ったら…

T:ホチキスが商標だからだろ。

M:ホチキスがマシンガンを作った会社の名前だから、ステープラーを使っているんだって聞いて、俺、大爆笑したんだよ。そこまでやるかって。

T:本当なのか?

M:ガセネタかもしれないけど、武器を作る会社の名前だから使わないって、こんな小さな事一つとっても寮の仕組みは多分話し合いをして決められて来たんだろうね。マニュアルを書いた人がただ単にステープラーって書きたかっただけかもしれないけど。

T:面白い。

OB:「軍手」も言わないって人もいたね。

M:ああ、軍手ってそういう意味だったんですか。

OB:この酒酸味が利いてておいしいな・

D:はい、未成年の読者諸君は飲酒はやめようね。

M:話がだいぶ拡散したな。なんだっけ。

D:前提を崩して話をする技術が、どこで役に立つのか?例えば多くの人は就活を経験するわけなんだけどそこでなんか役に立った経験はないかな。

M:役に立った経験と言ったら、就活でグループ面接っているのがあってさ、複数人の就活生が議論をして、それを企業の人が見て評価するっていうのがあるんだけど、そのグループに会話の通じないやつが一人紛れ込むそれだけで議論にならないんだ普通は。だけど寮では始めから会話が成立しない状態で話すから、議論を仕切る能力はめちゃくちゃ身についたと思うし、就活のグループ面接の時には実感したな。

(閑話休題。一升瓶が空く。録音ミスともいう。この座談会は、玄関ロビーの炬燵を囲んだ鍋の会にかこつけて開催しています。どんどん人が増えて来た。)

 

建設的に無駄なことをしよう。

 

M:熊野寮に住むんだったら、なにかやったほうがいいと思う。寮であることを活かせないと、熊野寮って汚いアパートでしか無いっていうか。

D:それは同意。熊野寮に住んでいるんだからなんかやんないと面白くないよね。でも、これ俺ずっと薄々思ってだんだけど、例えば四条大橋の上で綱引きするとか、そういうのは違うと思う。面白いパフォーマンスや社会への封止になるのかもしれないけど、具体的な哲学に欠けているというか。あーこれはしてやられた!みたいなものがないよね。

T:なんで政治運動するべきだってのか。

D:そうじゃなくて。建設的なことをするべきだって言ってるの。もしくは建設的に無駄なことをしなさいっていうか。

T:パン祭りか(編注:Dは中庭の石窯でパンを焼く集い「パン祭り」の主催者)

D:いや、そういう意味ではなくて、パンはただの生産活動だから。面白いことないから。

M:ていうか、生産的な活動も面白いとは思うんだけど、非生産的だからこそ残るものもあるというか。さっき言ったように、せっかく熊野寮みたいに色んな人がいる場所に住んでいるんだから利用するべきだよね。利用という言い方すきじゃないけど。

D:これいい方悪いけど、寮で人とあまり関わらない人が、おれ熊野寮に住んでいるだぜってドヤ顔しているの見ると違和感ないか?

M:目立っていないやつには、熊野寮を語る前にもっと前に出てこいよとは思うよね。

M:具体的に言えばさ、寮の企画に参加するにしても、運営とか企画とかに努力を払わずに、それを周りに自慢するだけとか。

D:「俺時計台に登ったんだ!」ってやつだな。

M:企画とかにも意味があるもんね。

D:時計台占拠でなにが面白いかっていうと、時計台に登って叫ぶことよりも、寮生が登っているはしごを下で支えながら大学の職員と牽制しあうシーンとか、あの表も裏も入り混じった点だと思うんだ。他のイベントでも同じだと思う。

K:それはちょっと玄人好みすぎるな(苦笑)

M:はい、以上、「寮に入ったらなにかやろう」の話でした。

 

「寂しくない」熊野寮の功罪

 

D:僕が入寮した時のパンフレット、一番印象的だったのは「熊野寮は一升瓶をもってうろついていたら毎日飲み会が出来る場所」っていう紹介文だったんだよね。

T:今日のこの飲み会もそうだな。

D:「寂しくない」っていうのは熊野寮を語る上で欠かせいないポイントかな。

K:ここにいるM、D、Kの三人は、2011年度、我々が3回生の時にルームメイトだったんだよね。

M:C1001な。部屋が狭くて、机置く場所もなかったし、二段ベッドの横で床で寝てたな。(編注:C1001は、C棟の一角に一時期存在した部屋割りです。彼らは本来2人部屋の8畳部屋に3人で住んでいました。新入寮生がそのようなエクストリームな環境に置かれることは本人が希望しない限りないです。悪しからず。)

D:当時の部屋番号である「C1001」って今ではもはやユニット名みたいに使われるけど、あれは客観的に言えば異常な空間だね。

K:九龍城みたいなもんだよな。

D:プライベートな空間であるはずの自室で、あれだけの密度で住むっていうのは異常なことなんだけど。でも僕ら3人の中でそれをストレスに感じたやつはいないよね。

M:見ればいいんじゃないかなって感じだったわ。合意は取れてたね。

K:合意は取れてた。

D:プライバシーがないだけじゃなくて…机がないからベットの上にダンボール置いて一晩中勉強したりとかも過酷っちゃあ過酷だったかもしれない。いわゆる苦学生的なことはやったね。

K:まあでも我々は寮だけが居場所じゃなかったから平気だったのかもな。

M:サークルだな。

K:寮が実家に近い感じではあった。帰ってきて駄弁るみたいな。兄弟的な感じだったな。熊野寮の他の部屋はそういうコミニュケーションが無いほうが多いよね。

M:めっちゃ仲いい部屋ばかりじゃないからね。

K:我々はすごい兄弟的だったんだけど、他の部屋は家族、もしくはもっとドライな関係だね。

M:完全に修学旅行みたいなもんだからね。

D:さっき言ったけど、「前提を取り払って討論する」ことを僕らは経験するわけですよね。だから一緒に住む上でのコミニュケーションはできてたかなと。

T:っていうのはつまりどういうことだ?

D:入ればわかる(ドヤ)

 

寮に入ると留年する?

 

M:話を変えると、寮に入ると留年するっている話があるよね。

D:留年した人挙手。(周囲が手を挙げる)

M:だいだい半分くらい留年してますね。

D:思ってよりいたな(笑)

M:留年することが問題なのかという話よ。

K:我々そのあとちゃんとしてますから。

M:寮にいるから出来るということもある。

D:まあ、寮に住んでいるから親に負担をかけずに留年できるというのは有意義かな。(編注:「留年=落ちこぼれ}ではないんだよ、という話をしています。たとえば資格をとる人もいますし、世界を一周する人、ボランティアをしたり、起業をしたりする人もいます。)

M:熊野寮には、各ブロックに談話室があって常に話相手がいるわけ、何が問題かっていうと、勉強しなきゃいけない時の誘惑は半端ないんだよね。

D:「俺全然勉強してねーわ」「俺もしてねーでも平気っしょ」っていう会話が24時間繰り広げられるね。

M:そんな中で留年しなかった奴は

D:凄い。(編注:MとDはストレート)

K:何言ってるんだおめえら。

 

まとまらないまとめ

 

K:グダグダしてきたから締めよう。

D:僕は、熊野寮がいいところなのか悪いところなのか、自分の価値観で判断することが重要だと思う。一切の前提を取っ払って物事見てみるのは、いずれにせよ大学1回生に求められる力。

M:自分で判断することは大事だし、熊野寮は、来たら死ぬようなところじゃない。

D:危ないところではないよね。

M:インド旅行に行くつもりで来たらいいよ。

K:そういうことだな。

 

編注:この座談会の内容は、参加者個人の見解に基づくものであり、寮自治会の見解とは必ずしも一致しないことをご了承ください。

 

熊野寮祭という何か


入寮一年目(工学部)

 

 多分、熊野寮を語る上で切っても切れないのが熊野寮祭。字面から、何となくお祭りっぽいのは解ると思います。だがしかし、新しく入る皆さんには何のことか解らない人も多いと思うのでここでその説明と魅力を語っていきたいと思います。

 熊野寮祭:京都に於ける裏三大祭の一つ。また、京都大学において規模や期間が最大の行事。その歴史は記録に残らないほど古いとされる。そこには熊野寮で日頃に持て余されたパトスが発揮されれている。(民青典)

 パトス:アリストテレス倫理学で、欲情・怒り・恐怖・喜び・憎しみ・哀(かな)しみなどの快楽や苦痛を伴う一時的な感情状態。情念⇔エートス。(大辞泉)

 さて、これで解っただろうか?

 何?解らない?それでは仕方ない、もう少し詳しく説明してあげよう。

 その前に、だ。君たちは時計台の上に登る人がいると聞いたことがあるかね?四条の街で運動会を行うという奇特な集団のことは?知らない?では、潔く調べてから出直してきてくれ給え。……と、本来なら言って差し上げるのだが、これも仕方ない、今回だけ特別だ。まぁ、じっくり聞いていくといい。

 熊野寮祭とはNFの終わった数日後、十一月の下旬から十二月の上旬にかけて行われる祭のことだ。この長いお祭りの中でのルールはただ一つ。

 自由にみんなで楽しむこと。

それだけだ。その結果として、高いところが好きなのか時計台に登り始めるもの、過去に置いて来た青春を求めて何故かグラウンドではなく街中で運動会をやり始めるもの、寒いのにとりあえず理由を付けては鴨川に入りたがるもの、こういう莫迦ども情熱を持て余し過ぎてしまって何かを拗らせた人々がその欲望を現実にしてしまう。そういう場が生じる時空、それが熊野寮ということだ。

 これで流石に熊野寮祭について解っただろう?何、もっと聞きたい?本当にどこまでも仕方ない奴だ……

 そうだな、もうこれと言って話すこともないが昨年の寮祭の話をしよう。

 

【時計台コンパ】

その名の通り、京大の時計台でコンパを行う。入試の際、クスノキの前で鍋をやっている集団がいたと思うがあれを大規模にしたもの。そして、熊野寮生が高みに近づく儀式でもある。

【四条運動会】

街で運動会します。昨年度は二人三脚借り物競争、騎馬戦、綱引き、長距離パン食い競争等を行いました。

【京都駅大階段グリコ】

コミュ障にとっては最もハードルの高い競技。逆にショック療法的に治るとか治らないとか。

 

 とりあえず寮祭は楽しい。実行委員長を務めた身としてそれだけは言える。参加しなければそこには後悔しか生まれない。

 結局、何のことか解らないと思いますが要するに寮には寮特有のお祭りがあります。そして、入寮する皆さんはそれに主体的に参加出来るのです・多分、今後どれほどの時間を生きようとこんな経験は二度と出来ません。

 京大に入って、普通に下宿して四年(以上?)も凡庸に過ごすのは勿体無い。そうは思わないかい?日常と非日常が織りなす不思議な空間、熊野寮。人それぞれ思いは異なるだろうが、ぜひ僕らの仲間になってほしい。あなたが熊野寮に興味を持つことを切に願う。

 

 何か色々書いたけど、とりあえず熊野寮に入って色々楽しみましょう。私はもう文書を書くのに疲れました。こういう適当なの含めて熊野寮です。読んでくれてありがと♡みんな愛してるよ、熊野寮においで♥?